愛宕神社 千日通夜祭(千日詣り)
愛宕山詣りといえばかろうじて落語で聞いた事があるくらいの認識度だった。が、京都で食事を食べるためにお店に入ると、大抵「火廼要慎」と書いたお札が貼ってある。なんだろうと気にはしていたが、何かのきっかけで愛宕神社で授与される火の用心のお札である事が判明した。そしてそこへ行くにはかなりしんどい山を登らねばならないことも聞いた。
調べてゆくうちに毎年7月31日から翌日の8月1日にまたがってお参りすると1000日のご利益が得られるらしい。 そんな事を気にしつつ生活していると、Y君と話している時、彼が5歳くらいで父親に連れられて泣きながら登ったと聞いた。5歳で登れるのだったら60歳でも軽々登れるだろう・・・と。丁度自分の休みの日が8月1日だったので、31日夜仕事が終わるや否やY君を誘って出発することにした。 まずは麓の清滝まで行かねばならないが手段は 1)自家用車で清滝まで行き駐車場に止めておく・・・しかし当日の駐車場状況は厳しいらしい。と聞いたので却下。 2)バスで行く 京都駅から京都バスで行く(62番)には終バスが7時台で終わり。そこで京都バスに問い合わせると、嵐電(京福電車)の嵐山駅か、阪急電車の嵐山駅から京都バスが臨時便を15~20分間隔で出していると聞いたのでこれを手段と決めた。 しかし通常嵐山まで行くには車しかなく、駐車料金がバカ高い。しかし22:00~8:00は夜間料金で上限500~600円である事がわかった。 よって車で適当に行って500円のコインパーキングに止めて、徒歩にて嵐電嵐山駅へ急ぐことにした。 ここでアミノバイタル ゴールド1本を投与!後々ばてないために準備してきた。Y君にもあげた。 歩いても5~8分程度。日中の嵐山とは打って変わって、あまりにも人が少ないので場所を間違えたのかな?と不安になったが、バス停前には5~8名ほどの人が並んでいた。京都バスの職員さんも3名ほどいて口頭でアナウンスをしていた。程なくバスがやってきた。どうやら阪急嵐山駅から乗客を乗せて来たらしく、バスの半分ほどは人で埋まっていた。 乗車料金は230円。後払い。ピタパもうOK!!とのこと。 10分ほどで清滝に到着。周りが暗くて余りよく判らない。 バス停で降りてヘッドライトを準備。水を一口飲んで喉を潤す。 さていざ出発。バス停の茶店はお客を受け容れていた。 その前を通過してはて、道がいきなり二股になっている。どっち???多くの人は左の下り坂を選んでいた。 そこには「愛宕神社参道」と書かれてあった。じゃあ左か!それにしてもかなり勾配のある下り坂が続く。向かいからこれを登ってくる人たちとすれ違う。既にお参りを済ませた方たちのようだ。これは大変な行程の始まりかぁ? 集落の間を抜ける。「おのぼりやす。おくだりやす。」と愛宕詣りの参詣者がすれ違う時に言い合う言葉が書いてあった。 かき氷屋さんがあった。数名の人たちがたむろっている。ふと見ると鳥居が見えた。その向こうには裸電球が等間隔に灯された参道らしき道が見える。 いよいよか。どんな所だろう。 6~8名ほどの若い男性グループが歩いていた。 それを追い越すように先に歩いた。健脚者では2時間ほどの行程らしい。それに近づきたいという勝手な思いからペースが上がったことは間違いない。 どんどん歩みを進める。汗が噴出してくる。これを見越して数年前に購入したファイントラックのベースレイヤーとセカンドレイヤーを着用しておいた。これを着て自転車に乗った時、汗をかいても冷えて気持ち悪くなったりしなかったし、すぐに乾いてくれたものだ。これが今回通用するかどうかだけど。 Y君がちょっと辛そう。2人で少し休みを入れる。 そしてまた歩く。また休み・・・を繰り返す。段々汗の量が増えてきて、リュックの背中のクッションが冷たく感じるようになる。 水は真水とクエン酸を基調とした水を交互に飲んで体液バランスの調整をした。 この辺りでヘッドライトは不要であることに気付く。周囲の裸電球が周到されているため、老眼と乱視の僕でもよく見える。 行程半ばくらいでアミノバイタル パーフェクトエネルギーを腹に入れておく。カロリー補給を怠ると後々えらい事になっては困る。 きつい上り坂が終わり少し平坦な道に出た。天国のようだ。ふと左側を見ると京都盆地が宝石のように輝いている。見上げれば月も出ていた。そう言えば火星が数十年ぶりで接近しているんだった。望遠でないと写せない。 しばらく見とれていたがまた先を急ぐ事にした。 やや勾配の強い坂道があったり緩やかな坂道になったりしながらようやく石段の前に辿りいた。 トイレの向かいには休憩小屋も設置してある。親切だ。 さあどれだけあるのか判らないけど石段を登ると程なく提灯で照らされた山門のような建物が見えた。 そこをくぐるとまた石段。きれいに提灯が並んでいる。 いよいよ最後の石段だろう。上りきるとやっと社殿が見えた。着いた!! 人がたくさん。参詣している人、お守りやお札を授与してもらっている人。ご朱印を頂いている人。休憩している人。様々。 さて参詣をしようとしたら、社殿中央に神官20名くらいが並んでいた。これでは奥まで進めない。成り行きを見ているとどうやら行事が始まりそう。 確か2時から何か神事があるとは書いてあった。 本殿では着々と神事が進められ、他の参詣者はただ見ているだけ。中には写真に収めている人もいるが、神事の撮影にはちょっと・・・。 本来は神様にお会いしてからと思ったけれど、あまりにも神事が長くて待ちきれずお札を頂く事にした。 12体のお札を頂き、天狗様のストラップと河童のお札を頂いた。それぞれ子供たちが持ってくれれば良いのだけど。 「火廼要慎」のお札は1体400円。 河童のお札。だけど何故?河童なんだろう。こんな山の上に。900m以上の山なんだけど。不思議だなあ。 それでもまだ時間をもてあましたので周辺を見て回ると、猪に乗った天狗様の絵が奉納されてあった。確かに猪は和気の清麻呂候と縁がとても深いこの神社では奉られているとは聞いた。 ようやく本殿の神事が終わり、やっと一般客にも参詣が出来るようになった。 参詣も無事終わりご朱印帳を頂き、ご朱印も頂いた。 そして頂いたご朱印は並んで頂くのだが、1枚1枚手書きで書かれあり、とてもありがたい。大抵たくさん事前に書いて居られる事が多いのに。 ここまでいつ来れるか判らないもの。頂けてよかった。 社殿を出て広場で着替えをした。ベースレイヤーもセカンドレイヤーもびしょびしょ・・・かと思いきや、案外ドライ。なぜ背中が冷たく感じたのかな?きっとリュックサックの背中が汗を吸ってこれが体温を下げていたのだろう。今度はこれを上手く調整しておこうか。それと登山用の下着(パンツ)も考えておこう。これもビショビショで気持ちが悪い。 この辺りでアミノバイタル ゴールドを再び投与。下山に向けて準備KO。 下りの足取りは楽・・・と思いきや、傾斜がきついところでは支える足にかなり負担がかかる。ポールも使うがそれでも膝の側副靭帯だろうか、痛む! 最初は右足だったのが、とうとう左足にも痛みが走る。 まあ以前からこの症状は少なからずあったなあ。 とりあえず降りきった。途中上がってくる人も多く「おのぼりやす」と掛け声かけるも、自身が半ばアウトだったので心がこもらない。 消防団の人たちも夜通し待機しているらしい。ご苦労様です。 確実の僕より高齢の方々や体重がかなり多い方も居られたが、無事下山できたのだろうか。とても簡単に考えて登ると痛い目に遭う千日詣りだと痛感!! 膝の痛みも半日もすると和らぎ、1日も経つと概ね良好。こうなるとまたお参りに行きたくなってきた。 平成最後のお参りに行けたわけだし、新しい年号の最初の年にもう一度お参りするのもいいかもね。つらいことは忘れてしまい、達成感だけが残るって本当だな。 さて、落語の「愛宕山」をじっくり聴いてみたくなった。
by foxpapa
| 2018-08-03 17:04
| ぶらり/近場
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